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何から話そう!環境問題

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~~(^-^) 何から話そう! 環境問題 (^_-)~~
生活に密着した環境問題をもっとわかりやすく
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・-・-・-・-・植樹体験ツアーのおしらせ-・-・-・-・-・

こんにちは。プレゼントツリー事務局です。

大切な自然である森林、その森林の再生活動を継続している私たち環
境リレーションズでは、今年の植樹体験ツアー第一弾目を山梨県笛吹
市「はなの森」で実施します。

今回はエコツーリズムのスペシャリスト、リボーンさんとのコラボが
実現しました。ツアーの詳しい内容は、下記URLをご覧ください。

○プレゼントツリーブログ:
http://presenttree.jp/blog/?p=681

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●目次● 2011年5月5日号

※.植樹体験ツアーのおしらせ

1.スマートグロウスと持続可能性 vol.3

2.福島で見えない環境問題を考える

3.セミナー・イベントご案内

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◆1.スマートグロウスと持続可能性 vol.3◆

第三回目になる今回はスマートグロウスを実現するための課題点や障
害について考えてみたいと思います。

前回お話ししたように、スマートグロウスの大きな特徴の一つは、こ
れまで別々に扱われてきたアイデアを同時に実現することを目指して
いる点です。しかし、スマートグロウス的な政策を取り入れている多
くの都市では、それらのアイデアのうち1つ、もしくは2つだけ実現
している都市が多く、すべての目標を達成している都市は皆無に等し
いと言えます。その理由としては専門家の不足や、そもそも自治体の
関心が低いこと等が挙げられますが、今回の記事ではスマートグロウ
ス実現を妨げる障害のなかでも、もっとも顕著なものの一つ、
NIMBYismについてお話ししたいと思います。

NIMBYismという言葉ですが、読者の皆様は聞いたことがありますか?
これは「Not in My Back Yard」を短縮したもので、自分たちの生
活に近いところに悪影響を及ぼす、もしくは及ぼす可能性のある変化
(再開発や工場建設等)に対して反対の意を唱える活動や思想を総称
したものです。このNIMBYismがスマートグロウスを推進する際に大
きな障害になっています。NIMBYismを引き起こす大きな要因の一つ
は、そもそも郊外化はアメリカ人を始めとする郊外化が進んでいる国
の人々の趣向を反映したものであり、例えば、郊外の低密度住宅は良
い教育や治安などの良い生活と、高密度住宅はその反対に高い犯罪率
や貧困などと結び付けられて考えられる傾向があり、その意に反した
開発を実現することは当然難しくなります。

さらに、空地を埋める形での開発はその開発に関わる多くの人々の利
益やコストに多大な影響を及ぼす可能性があることもNIMBYismを引
き起こす要因の一つと言えます。例えば、郊外化が進むことによって
周囲の地価の向上が望める郊外に住んでいる人々にとっては、開発が
都心部に集中することによってこれらの恩恵を得ることができなくな
ります。また、様々な所得層のための住宅開発を進めることによって、
自分が住む地域の周囲に安価な住宅が増え、結果として自分の物件の
価値が低下することも考えられます。

もちろん、スマートグロウスを推進することによって利益を得る人も
多くいます。さらに、郊外化の進行はインフラ拡張費用の増大に繋が
り、結果的に地域住民の税負担が重くなる可能性があることから、郊
外に住む多くの人々にとっても無秩序な郊外化は避けたいところです。
つまり、彼らもスマートグロウスのアイデアの一部には納得できるも
のの、利益を損なう可能性もあるため反対運動に回っている、という
ことが考えられます。

この郊外化に対する相反する考えを汲み取っている結果、多くの議員
がスマートグロウス的な政策を打ち出すものの、政策実現によって、
それに反対する人々からの票を失う可能性があるため、実現に結びつ
けられないケースが多くあります。

このように、スマートグロウスの概念を現実化するためには、既存都
市の高密度化ひとつをとってみても多くの人々の利益や損失に結びつ
く可能性があることから、冒頭でも述べたように概念的には素晴らし
いものであっても現実社会にはなかなか適応されていません。次回は
スマートグロウスの実現を妨げる他の障害についてもう少し考えてみ
たいと思います。

アメリカほど過激なNIMBY運動は展開されにくい日本ですが、票を失
う可能性があるからなかなか進められない政策というのは多く見られ
ると思います。例えば、地域の自然を守ることは多くの人々から支持
されているものの、それによって害を被る、もしきは利益を得る機会
を失う人々からの反対によって実現できないものも多くあります。身
近にあるそういった事例を一つ取り上げて、様々な角度からみてみる
と発見できることもあるかもしれませんね。そして幅広くある物事に
ついて見ることによって始めて「主張」だけでなく、「議論」ができ
るようになると思いますので、ぜひトライしてみてください。

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神内 佑大/環境リレーションズ研究所

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◆2.福島で見えない環境問題を考える◆

連休はふるさとの福島県福島市へ帰省してきました。
福島市は、東電の福島第一原発より60km。
放射線量は市内でも所によって差があるのですが、
中心部ではなかなか線量が下がらないこともあり、
子どもの姿があまり見られませんでした。
自分の子どもを外で遊ばせて大丈夫なのだろうか?
料理には水道水や県産野菜を使ってもいいのだろうか?
いくら「基準値を下回っています」と言われても、
福島の子どもたちの親は心配でしょう。
心が痛みます。

放射線は、出ていても見たり触れたりすることができません。
福島市内に身を置いていても、まったく何も感じません。
これだけ騒がれているのに何も見えず何も感じず、
目に写るのはいつものふるさとの美しい5月です。実に不思議でした。

目に見えず、感じることもできないものを、
人はいつまで怖れ続けることができるでしょうか?
自分の五感は「異状なし」と判断するのです。
それに逆らって怖れ続けることにどこかで疲れてしまい、
「もういいや」と開き直って、
注意を払うことをやめてしまう人が出ては来ないでしょうか。

チェルノブイリでは放射線の状態や影響があまり知られていなかったため、
平気で子どもに汚染されたものを飲食させた母親たちがいたといいます。
汚染されているかどうかは、測ってみなければまったく分かりません。
目に見えるもの、耳で聞こえるものが正常だったので、
正しく怖れることをしないでしまったのです。
子どもに影響が出た後で、彼女たちは激しく悔やみました。
同じことが日本で起こりませんように。

放射能汚染に限らず、目に見えない環境汚染はどれも、
その意味で怖いなあと思います。
目に見える環境問題には人は取組みやすいけれど、
目に見えないものと戦うのは難しい。
目に見えないものを見えるようにし、正しい危機感を伝えていくのが、
私たちの役割ではないかと思います。
原発事故の一日も早い収束を祈りつつ。

ちなみに、福島は広く、線量は低いところは本当に低いです。
ぜひ、怖がらずに観光に足を運んでくださいね!

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西形 涼子/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆3.セミナー・イベントご案内◆

◆◇ エコ・エグゼクティブ講座 ◇◆

環境問題を解決するための仕組みを戦略的に発案し、それを実行に移して
結果の出せる「エコ・エグゼクティブ」を育んでいくことを目的とした講座
です。月1回、エコエグの役割とは何か、具体的な事例に則してレクチャー
しつつ、集まったメンバーと知恵を寄せ合ってさらに具体的なプランにまで
落とし込む可能性を模索したいと思います。

*2011年05月17日(火) 19:00–21:00
「原発事故のリスク」

*東海地震が直撃する可能性を指摘されている静岡県の浜岡原発。最悪、ど
んなことが起きる可能性があるのでしょうか?
*申込期限:05月16日(月)

*お申し込み/お問い合わせ
下記のフォームより、
・関連するプロジェクト:「エコエグゼクティブ講座」
・内容:「エコエグゼクティブ講座参加希望」
とご記入の上お申込み下さい。

http://www.env-r.com/contact/er-pm.html

参加費:学生/1000円 社会人/2000円 Er会員/無料

定員:20名

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環境リレーションズ研究所
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WEBサイト:http://www.env-r.com/ecoenquete.html
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WEBサイト: https://www.presenttree.jp/
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