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何から話そう!環境問題

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~~(^-^) 何から話そう! 環境問題 (^_-)~~
生活に密着した環境問題をもっとわかりやすく
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●目次● 2011年5月20日号

※.植樹体験ツアーのおしらせ

1.スマートグロウスと持続可能性 vol.4

2.WWFの記事が秀逸

3.セミナー・イベントご案内

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◆1.スマートグロウスと持続可能性 vol.4◆

第四回目の今回はスマートグロウスを実現するための課題点の2つ目、
金銭的な障害について考えてみたいと思います。

金銭的な問題はスマートグロウスに限らず、様々な政策を実現する上
で根本的な課題点として存在します。例えば、最近話題にのぼること
も多くなった新エネルギー促進も費用対効果があまり見込めないこと
などを背景になかなか進みません。

スマートグロウス関連の政策に関しても同じことが言えます。例えば、
不動産デベロッパーにとってスマートグロウスのための資金集めは困
難を極めます。その理由としては、町外れの平地で行われる開発
(Greenfield Development)に比べ、都市中心部の建物(特に工
場等)跡地で行われる開発(Brownfield Development)はイニシャ
ルコストや開発にかかる時間が多くかかるため、投資家にとってはリ
スクが高くなります。コストや時間が多くかかる原因としては、再開
発を行う前に、開発跡地が化学物質やその他の有害物質に汚染されて
いるかどうかをテストしなければならないことが挙げられます。また、
もし汚染されている場合、除染を行うためにより多くの時間とコスト
がかかります。さらに、これらの化学物質は建物を解体するまでみつ
からないこともあることから、投資家にとってBrownfield
Developmentは投資リスクが高くなります。

その他の金銭的障害の原因としては以下のものが挙げられます。
・高密度住宅開発の収益性を証明するマーケット調査が少ないこと
・スマートグロウス関連の制作が地域経済を縮小させる可能性があること
・高密度開発を妨げる多くの規制があること
・郊外開発に対して有利な補助金が多く存在すること
・開発跡地を再開発する際の複雑なプロセス(どのような住宅形態や
デザインが良いのかを決定するためのリサーチプロセスや、私的およ
び公的資金を集める際の開発目的やスケジュールの調整等)

「法律が要求しているから」という理由で、地方自治体はスマートグ
ロウス関連の政策を撃ち出して入るものの、前回お話をしたNIMBYism
や今回の金銭的な障害などを背景に、それらの政策はただの「リップ
サービス」になってしまい、Greenfield Developmentが優勢とい
う状況を変えられず、郊外化の進行を食い止めることがなかなかでき
ないでいます。その一方で、政策を推し進めたが故に、予期せぬ結果
をもたらしてしまっている地域もあります。次回からはそういったス
マートグロウスの予期せぬ結果についてお話ししていきたいと思いま
す。

少し環境的なことからは外れたお話が最近は多く、退屈かもしれませ
んが、環境問題を考えていくときには倫理的な問題や技術的な問題だ
けではなく、政策実現を妨げている様々な問題を多角的に見ていくこ
とも必要だと思います。私の記事がその助けになれば幸いです。

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神内 佑大/環境リレーションズ研究所ボランティア

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◆2.WWFの記事が秀逸◆

WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)の記事が秀逸なので、紹介します。

「発電と送電の分離は、再生可能エネルギーの導入に不可欠」
http://www.wwf.or.jp/activities/2011/05/985318.html

WWFはパンダのマークでおなじみ、野生動物の保護活動などで有名な世界的な組織です。
温暖化は野生動物の絶滅を進め、生物多様性を損なうことから、
最近は気候変動阻止のはたらきにも力を入れています。

記事の内容は、エネルギー業界関連の方や新聞などのビジネス情報を読んでいる方なら
すでによくご存知の、電力会社の「発送電分離」の話。
現在は一体となっている電力会社の発電部門(分かりやすくいえば、発電所まわりの仕事)と
送電部門(電線まわりの仕事)とを2つの会社に分割しようという話。

何に驚いたかというと、まず何も知らない人にも分かりやすい説明のしかたです。
電力会社解体論については2000年前後にもいろいろな議論が行なわれており、
関係者がそれぞれの立場からいろいろなことを言っていて、
複雑な問題になっています。
それから約10年の間、温暖化の進行、環境意識の高まり、資源の高騰など、
電力会社を取り巻く環境にはいろいろな変化がありました。
新たなことをも視野に入れながら、これからの解体論は進むことになります。
たいへん難しく、分かりにくい話題です。
WWFの会員やサイトを見る人の中には、これまではその議論にはあまり興味が無く、
新聞記事になっても読んでいなかった人も(主夫・主婦や学生も含めて)大勢いるはず。
その人たちに向けて、この複雑な問題を一から説き明かすという難題を
この記事は短い文面で見事にやってのけています。

次に、電力会社解体論を、読者にとって関心の深いことであるはずの
「自然エネルギーの拡大」の視点から語り、
この議論を一気に身近な「自分の問題」として捉えさせているところです。
いま、世の中は大変なことになっていて「何かしなければいけない」と
漠然と考えている人は本当に多い。
ただ、問題の幅が広く、複雑であるため、どこから理解し始めてよいかすら分からない。
そのときに、この場合は野生動物を保護したいと思っている人たちに向けて、
電力市場のあり方をその人たちの言葉で理解させている。
見事だと思います。

最後に、読者に「何かしなくちゃいけない」と感じさせるだけで終わらせていません。
記事の下のリンクをたどると、「自分が生活の中ですぐにできる行動」と
「WWFを資金の面で支援すること」の2つにたどりつくことができます。
読者はたった今理解したばかりの課題に対して自分に何ができるかを、
はっきり知って、アクションに移すことができるのです。

どれも奇抜な取り組みではなく、当たり前のものばかりなのですが、
実はなかなかできることではありません。
この記事を書いた方に、心からの賛辞を贈ります。

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西形 涼子/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆3.セミナー・イベントご案内◆

◆◇ エコ・エグゼクティブ講座 ◇◆

環境問題を解決するための仕組みを戦略的に発案し、それを実行に移して
結果の出せる「エコ・エグゼクティブ」を育んでいくことを目的とした講座
です。月1回、エコエグの役割とは何か、具体的な事例に則してレクチャー
しつつ、集まったメンバーと知恵を寄せ合ってさらに具体的なプランにまで
落とし込む可能性を模索したいと思います。

*2011年06月16日(木) 19:00–21:00
「深層崩壊 ?大規模水害」

*温暖化が進むと大規模な水害が起きる、と指摘されています。ではそれは、
どんなものなのか。深層崩壊と呼ばれる、従来の常識を越えた水害について
学びます。
*申込期限:05月15日(水)

*お申し込み/お問い合わせ
下記のフォームより、
・関連するプロジェクト:「エコエグゼクティブ講座」
・内容:「エコエグゼクティブ講座参加希望」
とご記入の上お申込み下さい。

http://www.env-r.com/contact/er-pm.html

参加費:学生/1000円 社会人/2000円 Er会員/無料

定員:20名

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環境リレーションズ研究所
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