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~~(^-^) 何から話そう! 環境問題 (^_-)~~
生活に密着した環境問題をもっとわかりやすく
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●目次● 2011年6月5日号
1.スマートグロウスと持続可能性 vol.5
2.電力はじめて物語
3.セミナー・イベントご案内
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◆1.スマートグロウスと持続可能性 vol.5◆
第5回目の今回はスマートグロウスを実現するための政策を取り入れ
ることによって起きる可能性のある、意図しない結果についてお話し
したいと思います。
前回までお話をしていたNIMBYismや金銭的障害などのスマートグロ
ウスを実現するための様々な課題がある一方、いくつかの都市ではス
マートグロウス的な政策を採用することに成功しています。しかし、
それらの政策は良い結果だけではなく、いくつかの予期せぬ結果を招
く可能性もあります。
まず1つ目は、都市再開発によってその場所の個性が失われる可能性
があります。都市再開発をするためには既存の、そして時には歴史的
な建造物を解体しなければなりません。それらの建造物が解体される
ことによって、その建造物が醸成してきた、その地域特有の雰囲気が
壊される可能性があります。さらに、建造物解体後に行われる開発は、
新しくその地域に住まう人々の趣向の反映などを理由に、建物の規模
や素材などの点で地域の特色を無視したものになる傾向があります。
さらに、既存の建造物を保存するよりも、解体し、新しい建物を建て
るほうが経済的な観点からも効率的であることから、スマートグロウ
スは歴史的建造物の保存を難しくし、その地域の特色の喪失を誘発し
ている場合があります。
2つ目はスマートグロウスは車依存からの脱却を目標に掲げています
が、その政策は必ずしも地域の交通渋滞緩和につながっていない、と
いうことです。例えば、オレゴン州にあるポートランドというスマー
トグロウスを取り入れていることで有名な都市では、地域の渋滞緩和
のため路面電車設営などに投資をし、利用者の増加を図っていますが、
渋滞緩和にあまりつながっていません。その背景としては、まず、利
用者の増加は自家用車利用からの転換ではなく、バスやその他の公共
交通からの移行が多いこと、そして高密度化による地域人口の増加が
路面電車利用者の増加をはるかに上回っていることが挙げられます。
さらに、ポートランドでは新たなフリーウェイの建設が制限され、駐
車スペースも10%減らされたことから、渋滞がより深刻化していま
す。
スマートグロウスの支持者はコンパクトな都市形態と自家用車への依
存低減や渋滞緩和との因果関係を信じていますが、移動手段は都市形
態に影響されるのではなく、ガソリン料金や収入額に影響される、と
いう研究結果も出ています。これらの読み違いから、ポートランドで
はスマートグロウスを進めることで一人当たりの運転量を10%減ら
す計画であったものが、4%の削減に留まるとみられています。
3つ目は高密度化を実現するためのインフラ更新費用が予想以上にか
かってしまうという点です。スマートグロウスの目標の一つに、郊外
化に伴うインフラ拡張費用を抑えるというものがありますが、ハーバ
ードで行われて調査ではインフラを拡張するためにかかるコストのほ
うが、高密度人口対応のためにインフラを更新するより安くすむこと
がわかりました。これらのコスト増加は地方税の増加や住宅価格の高
騰という形で地域住民にかかってくることになります。
これらの意図せぬ結果は、他の地域がスマートグロウスを目指すこと
が出来ない原因にもなっています。次回もこれらの予期せぬ結果につ
いてもう少し考えてみたいと思います。
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神内 佑大/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆2.電力はじめて物語◆
むかしむかし、あるところに、電気のないA国がありました。
一人の天才が電気を発明し、それがとても便利なものだと分かったので、
A国では発電事業を始めることになりました。
さて、電気を作る方法にはいくつかあることが分かってきました。
(1)地中深くに埋まっているものを取り出して燃やす方法。
取り出すのはけっこう大変だけど技術的には可能。
埋蔵量には限りがあり、今はそれなりに安く燃やせるけれど
枯渇が近づいてくれば値段は上がっていきそう。
また、たくさん燃やすと気候が大変動してしまうくらいの影響がある
温暖効果ガスが出る。
燃やしたときの安定性や出力は、かなり期待できる。
(2)核分裂エネルギーを使う方法。
原料の埋蔵量は無限ではないが、そこそこ長そう。
技術的には可能。
計算上は安く上がるはず。
ただ、もし何か失敗があると、最悪の場合半径何十キロもの土地が汚染され
みんな避難しなければいけなくなる。
廃棄物は毒性が強く、万年単位で管理しなければいけない。
温暖効果ガスはあまり出ない。
(3)太陽や水などのエネルギーを使う方法。
半永久的に使える。
ただ、出力がすごく不安定なので、安定的に使うのは技術的に大変そう。
初期投資がかなり発生するので、電力単価は高くなりそう。
毒性の強い廃棄物や、温暖効果ガスは出ない。
どの方法にもメリットとデメリットがあります。
さて、そのメリットとデメリットを天秤にかけながら、
今まで電気を使っていなかった、何のしがらみも既成インフラもないA国が、
この先何十年・何百年の未来を託して電力源を選択するとき、どれを選ぶでしょうか。
また、もしその隣国のB国がこれまで(1)と(2)に依存してきており、
今後のエネルギー政策を練り直しているところだとしたら、
A国とB国の選択は、違ったものになるでしょうか。
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西形 涼子/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆3.セミナー・イベントご案内◆
過疎高齢化により地域だけでは維持しきれない「里山」の新たな価値創造を
目指すワークショップです。
今回は里山を育て共生してきた奥能登の人たちと、過疎・高齢化による棚田
荒廃や空き家増加といった課題を直視し、金蔵を舞台に持続可能な里山モデ
ルを作ります。
・詳細
主催:金蔵オープンビレッジ実行委員会
実施日:6月25日(土)~ 26日(日) 1泊2日
参加費:3,000円(食事、宿泊込み)※金沢からの無料送迎バスあり
会場:輪島市町野町金蔵「正願寺」
お申し込み、お問い合わせ先:080-6353-6311
E-mail:gakkou@po5.nsk.ne.jp
HP:http;//cr.lib.kanazawa.u.ac.jp/activity/
締切り:6月17日(金)
◆◇ エコ・エグゼクティブ講座 ◇◆
環境問題を解決するための仕組みを戦略的に発案し、それを実行に移して
結果の出せる「エコ・エグゼクティブ」を育んでいくことを目的とした講座
です。月1回、エコエグの役割とは何か、具体的な事例に則してレクチャー
しつつ、集まったメンバーと知恵を寄せ合ってさらに具体的なプランにまで
落とし込む可能性を模索したいと思います。
*2011年06月16日(木) 19:00–21:00
「深層崩壊 ?大規模水害」
*温暖化が進むと大規模な水害が起きる、と指摘されています。ではそれは、
どんなものなのか。深層崩壊と呼ばれる、従来の常識を越えた水害について
学びます。
*申込期限:05月15日(水)
*お申し込み/お問い合わせ
下記のフォームより、
・関連するプロジェクト:「エコエグゼクティブ講座」
・内容:「エコエグゼクティブ講座参加希望」
とご記入の上お申込み下さい。
http://www.env-r.com/contact/er-pm.html
参加費:学生/1000円 社会人/2000円 Er会員/無料
定員:20名
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環境リレーションズ研究所
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