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~~(^-^) 何から話そう! 環境問題 (^_-)~~
生活に密着した環境問題をもっとわかりやすく
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●目次● 2011年7月5日号
1.スマートグロウスと持続可能性 vol.7
2.節電2011
3.セミナー・イベントご案内
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◆1.スマートグロウスと持続可能性 vol.7◆
第7回目のスマートグロウスと持続可能性。今回は、これまでお話し
してきたスマートグロウス政策を取り入れる目的や政策を実現する上
での課題点、そしてスマートグロウスによる意図せぬ結果などを総合
的に考え、スマートグロウスが持続可能性の向上に貢献しているかに
ついて考えてみたいと思います。
持続可能性の向上には環境、社会、経済の三本柱をバランスよく発展
させることが必要であると考えられています。では、例えば、社会の
持続可能性の向上において、スマートグロウスは貢献しているのでし
ょうか。まず、スマートグロウスは、安価な住宅戸数の増加や公共交
通の充実などによって、社会的平等性を高めることを目的の一つに掲
げています。しかし、以前お話ししたように、スマートグロウス政策
はジェントリフィケーションと呼ばれる高級住宅地化や、NIMBY運動
などの住民反対運動を引き起こすことがあり、それによって社会的平
等を達成することが難しくなっています。例えば、ジェントリフィケ
ーションが起きている地域の住宅価格は、貧困層のみならず、多くの
中間層の人々にとっても手が届くものではなく、それによってこれら
の人々は都市周辺部にある低価格な住宅を選ばざるを得ない状況にあ
ります。さらに、多くの地域では住宅密度を高めることが重視され、
都市機能の複合化はあまり推進されていないことから、人々は仕事や
買い物、そして交流のために自家用車による毎日の移動を余儀なくさ
れます。 これらの地域ごとの住民の収入や資産の偏りや過度なゾーニングを是
正しない限り、貧困地域の地域活性化や、毎日の自家用車による長距
離移動などの郊外化に伴う悪影響を解決することは難しく、その結果、
スマートグロウスの目的を達成し、持続可能性を向上させることは不
可能であると考えられます。スマートグロウスと社会的平等を両立不
可能にしている主な原因は、中間層と富裕層をターゲットにした市場
主義の政策であると言われています。実際にスマートグロウスは裕福
な消費者にとって新たな「ブランド」であり、投資を集めるマーケテ
ィング手段となりつつあります。その高い市場価値を背景に、貧困層
や中間層のために安価な住宅を提供することを目的とした開発や、そ
れを進める政策や団体の数はなかなか増加していません。
ある地域ではスマートグロウス的な開発を行うに当たってNIMBY運動
のような地域反対運動や金銭的な障害が存在する一方で、別の地域で
はスマートグロウスがマーケティングツールとして使われ、ジェント
リフィケーションを引き起こしています。これらの両極端の反応はス
マートグロウスを取り入れている多くの自治体や団体が、社会的平等
の向上を真剣に目指すことをためらわせる大きな要因になっています。
その結果、郊外化は今後も続き、安価な住宅も提供されるものの、そ
の数は限られると多くの学者が予測しており、地域格差を是正し、社
会的不平等を解決するためには国家的なサポートが必要であると考え
ています。
では、そもそもスマートグロウスの大きな特徴の一つである、コンパ
クトシティをはじめとする高密度複合開発は持続可能性の向上に本当
に貢献しているのでしょうか。多くの文献において、この関係性は疑
う余地の無いように語られていますが、果たして本当にそうなのでし
ょうか。次回はこの関係性について少し考えてみたいと思います。
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神内 佑大/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆2.節電2011◆
首都圏では、いよいよ節電シーズンの本番が始まりました。
蒸し暑いこの時期を、皆さま快適にお過ごしでしょうか?
我が家では玄関ドアの内側につける簡単網戸を購入しました。
マンションで窓が少ないため、玄関を開けないと風が家の中を通り過ぎないのですが
開け放すと蚊が入ってくるため、今までは閉めていたのです。
玄関を開けるだけで、風のある日は十分しのげるようになるので、
おすすめします。1000円くらいです。
さて、今年の「節電」は、電気の節約ではなくて、
電力のピークシフト/ピーク分散が目的です。
電力の使用は、家庭も商用も冷房を使い、産業用(工場)も稼動している
平日の最も暑い午後にピークを迎えるのが普通。
発送電システムがパンクして停電になるのを防ぐのが大事とされているので、
電気を節約することなく、電気を使う時間を夜や週末にずらすだけでも
この夏は立派な「節電」として認めてもらえます。
自家発電ができる施設は、電力会社から電気を買わずに自家発電するのも
「節電」と呼ばれていることがあるようです。
そういうわけで、今年の「節電」は省エネであるとは限りません。
逆に増エネになる場合もあります。
効率の悪い自家発電設備を使ったり、
電気を蓄電池にためて(若干ロスが出ます)後で使ったりするのは増エネです。
「節電」の言葉の意味がだいぶずれてきたので、
「節電」の名の下に行われていることが省エネであると思われてしまいがちなのが
たいへん問題だと思っています。
また、この機に乗じて、省エネではない商品やサービスなどを、
たかも省エネであるかのように販売しようとする企業が出てくるのではないか、
とも心配しています。
そのような弊害がありながらも、
これだけ短期間で一気に「節電2011」とでも言うべき運動が広がったのは
やはり特筆すべきこと。
電力の使用量のピークが発送電システムの限界ギリギリに迫ってやばい!という事態は
過去にもあったのですが、
いくら呼びかけても減らなかった電力が、減るようになったのですから。
黒船来週に匹敵する、新しい事態です。
これが節電2012、2013と進化しながら、続いていくといいなと思います。
ちなみに、これを読んでくださっている方のお住まいの地域によっては
私の書いていることはまったくピンと来ないと思います。
地域差が大きいのが、節電2011の特徴です。
地域間の節電意識のギャップを埋めていくことも
今後必要になってくることです。
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西形 涼子/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆3.セミナー・イベントご案内◆
◆◇ エコ・エグゼクティブ講座 ◇◆
環境問題を解決するための仕組みを戦略的に発案し、それを実行に移して
結果の出せる「エコ・エグゼクティブ」を育んでいくことを目的とした講座
です。月1回、エコエグの役割とは何か、具体的な事例に則してレクチャー
しつつ、集まったメンバーと知恵を寄せ合ってさらに具体的なプランにまで
落とし込む可能性を模索したいと思います。
*2011年07月07日(木) 19:00–21:00
「環境難民」
*環境難民というと、海に沈みそうなツバル諸島が知られていますが、アラ
スカやアフリカ、アラスカなど、たくさんの地域で環境難民が生まれると指
摘されています。環境難民とは、どのようなものなのでしょうか。
*申込期限:07月06日(水)
*お申し込み/お問い合わせ
下記のフォームより、
・関連するプロジェクト:「エコエグゼクティブ講座」
・内容:「エコエグゼクティブ講座参加希望」
とご記入の上お申込み下さい。
http://www.env-r.com/contact/er-pm.html
参加費:学生/1000円 社会人/2000円 Er会員/無料
定員:20名
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環境リレーションズ研究所
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