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生活に密着した環境問題をもっとわかりやすく
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●目次● 2011年11月20日号
1.再生可能エネルギーとスマートグリッド vol.7
2.原発停止と排出権・デジャブ
3.セミナー・イベントご案内
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◆1.再生可能エネルギーとスマートグリッド vol.7◆
第7回の今回は前回ご紹介した蓄電池以外の電力貯蔵装置、および熱の効率
活用についてお話ししたいと思います。
前回お話しした蓄電池以外にもエネルギーを蓄える方法がいくつか挙げられ
ます。例えば、現在も水力発電で用いられている揚水発電は、夜間の電力需
要の少ない時間に水を高い位置にある貯水池に汲み上げることで、電力需要
の多い昼間に発電することを可能にしています。つまり、水が電気エネルギ
ーを貯める存在として使われているのです。さらに、現在開発中の技術とし
て、圧縮空気電力貯蔵という物もあります。これは、先ほどの揚水発電で用
いられる水の代わりに空気を地下空洞に圧縮貯蔵し、必要なときにその空気
と燃料であるガスを燃やすことで発電を可能にする技術です。
また、スーパーキャパシタなどの電気二重層キャパシタやリチウムイオンキ
ャパシタと呼ばれる電力貯蔵装置もあります。これらの特徴としては圧倒的
な急速充電(秒単位)が可能であることや、充放電が原理的には無制限でで
きるため、製品寿命が長いことなどが挙げられます。しかし、一般的にコス
トが高くつくなど、実用面での課題もあります。
また、電気ではなく「熱」としてエネルギーを蓄える方法もあります。これ
までも電気エネルギーや太陽エネルギーを使ってお湯を作り、それを必要な
時に利用するなどの蓄熱は広く用いられてきました。最近では、夜間に水や
氷などの「冷熱」を蓄え、電力需要の多い昼間に冷房として利用するなどの
蓄熱も行われています。蓄熱技術では、このようにエネルギーを「熱」とい
う形で蓄え、それを別の時間に利用することで経済的、そして環境的メリッ
トを生み出します。つまり、スマートグリッドでは電気だけではなく、熱も
含むエネルギー全体をどのように効率的に利用するかという視点も非常に重
要になります。その点で、発電と同時に排熱を動力や温熱、あるいは冷熱と
して取り出す「コージェネレーション(通称コジェネ)」も非常に重要視さ
れています。
次回も引き続き、スマートグリッド導入に求められる技術についてお話しし
たいと思います。皆様もぜひ様々な形態のエネルギーを蓄える方法を探して
みてください。
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神内 佑大/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆2.原発停止と排出権・デジャブ◆
原発事故以降、多くの原発が順次、停止しています。
節電もブームですが、それでも不足する電力を補うために
火力発電の稼働率は上がっています。
いきおい、日本の電力業界からのCO2排出量は、計算上増えており、
京都議定書の目標達成が危うくなってきています。
こういうときの常套手段として「排出権を買う」というのがありますが、
電力会社はこれに積極的ではありません。
ただでさえ、原発事故被害の賠償金など、原発関連の支出が兆円単位で増えている今。
排出権のコストをさらに上乗せすることは、電力会社は避けたい。
理由は、私たちが電力料金の値上げを嫌がるからです。
極論ですが、電力料金をどんどん値上げすることができれば、
電力は比較的、値上げしても需要があまり減らない商品ですから
賠償金のコストが増えようが、排出権のコストが増えようが、
電力会社はあまり困らないはずです。
しかし、電力が高くなると、あちこちに問題が波及していきます。
一般家庭からの反発はもちろんのこと。
工場などの生産コストも高くなり、産業が海外に流出していきやすくなります。
そこで、私たちは電力料金が上がるのをとても嫌がります。
そういうわけで、議定書の目標達成は、一筋縄ではいかないのです。
・・・というまったく同じ議論が、
2007年の中越沖地震で、柏崎刈羽原発が停止したときにもあったのですが。
何も学ばなかったのかなあ、と、少しさみしいですね。
今回は私たち一人一人も、未来に役立つことをきちんと学んでいきたいものです。
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西形 涼子/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆3.セミナー・イベントご案内◆
◆◇ エコ・エグゼクティブ講座 ◇◆
環境問題を解決するための仕組みを戦略的に発案し、それを実行に移して
結果の出せる「エコ・エグゼクティブ」を育んでいくことを目的とした講座
です。月1回、エコエグの役割とは何か、具体的な事例に則してレクチャー
しつつ、集まったメンバーと知恵を寄せ合ってさらに具体的なプランにまで
落とし込む可能性を模索したいと思います。
*2011年11月29日(火) 19:00–21:00
「家庭用燃料電池のメリットとは?」
*エネファームの商品名で発売された家庭用定置型燃料電池。
「ガスを使った電池」。蓄電しない電池。
これは一体何のために開発されているのでしょうか?
*申込期限:11月28日(月)
*2011年12月21日(水) 19:00–21:00
「ダムを撤去できるか?」
*民主党政権になって「中止」が決まったものの、現地はもめている川辺川ダム。
一方、米国では稼働していたマチリアダムが撤去されました。
ダムを造る、ダムを撤去する。その意味を考えます。
*申込期限:12月20日(火)
*お申し込み/お問い合わせ
下記のフォームより、
・関連するプロジェクト:「エコエグゼクティブ講座」
・内容:「エコエグゼクティブ講座参加希望」
とご記入の上お申込み下さい。
http://www.env-r.com/contact/er-pm.html
参加費:学生/1000円 社会人/2000円 Er会員/無料
定員:20名
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環境リレーションズ研究所
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