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何から話そう!環境問題

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~~(^-^) 何から話そう! 環境問題 (^_-)~~
生活に密着した環境問題をもっとわかりやすく
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●目次● 2011年1月20日号

1.生物多様性と都市 Vol.3

2.環境伊達直人を呼び覚ませ

3.セミナー・イベントご案内

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◆1.生物多様性と都市 Vol.3◆

あけましておめでとうございます。今年は「国際森林年」であり、また「生物多様
性の10年」のスタートの年でもあります。それに合わせて色々な動きが出てくる
ことを期待しています。

さて、今回は「生物多様性と都市」についての第三回目。なぜ都市で生物多様性を
高めなければいけないのかについて考えていきたいと思います。
まず、生物多様性を高めるための取り組みとして最も代表的なものに環境保護
(Reservation Ecology)と環境修復(Restoration Ecology)が挙げられます。両者に
共通することは「大きいことは良いことだ(Bigger is Better)」という生態系保全
の大原則の下、郊外やへき地などにある大きな生息地を自然公園や保護区として保
護・修復することを主な手法としている点です。
その一方で、近年では小さな生息域でも多様な動植物から構成され、生物多様性を
高めるための潜在能力を備えていることが証明されています。しかし、環境保護・
修復活動を大きな生息地に集中させることが、それらの小さな生息域が持つポテン
シャルを軽視することにつながっていると多くの学者から指摘されています。さら
に今後、世界人口が増加し、まだ開発されていない地域への開発圧力も強まること
も予想されるため、保護区を広めることにも限界があり、それに代わる代案の必要
性が増してきています。つまり、現存する生物を守るためには郊外やへき地などで
環境保護や環境修復を続けていくことと並行して、そういった伝統的な生物多様性
保全の哲学や手法を人間生活に近いところに存在し、小さく分散している自然にも
適応させていく必要があります。このことは前回お話した「経験の喪失
(Extinction of Experience)」や「自然に対する無知(Nature Illiteracy)」を防
ぐためにも必要なステップであると考えられます。

そこで提案されているのが3つ目の「R」である調和的生態系保全
(Reconciliation Ecology)です。この概念はMichael Rosenzweigによって提起さ
れ、彼はこの概念を「生物多様性を守るために我々のニーズと原生の自然とを調和
させることで、我々が住まい、働き、遊ぶ場所に新たな生態系を作り、確立し、維
持することをめざす科学である」と定義しています。さらにMillerは近年その定義
を拡張し、「我々の生活の質と生物多様性保全との関係性を明確にし、人間の文化
的な目標と生物多様性保全を同時に達成しなければいけない」としています。

このように、身近な自然の質を高めることによって地球全体の生物多様性を保全す
るとともに、人々の生活の質を高めることにも寄与するための方法を我々は模索し
ていかなければなりません。次回は人間生活の近い部分に自然をふやしていくため
の方法について、実例を交えながらお話していきたいと思います。

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神内 佑大/環境リレーションズ研究所

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◆2.環境伊達直人を呼び覚ませ◆

全国に「伊達直人」さんが現れて、身元を隠したまま
ランドセルや文房具などを、必要な子どもたちに贈っては姿を消している昨今。
最初の伊達直人さんが群馬県に現れて以来、ほぼ瞬間的に全国に波及したこの現象、
「自分も何かやってみたい。でもどうすればいいか分からない」という
隠れた善意を持っていた方々が、
タイガーマスクという仮面を手にして、一気に善意をあらわにしたのでしょう。
やり場の無い善意、世の中にたまってたんだなあ。

善意を心の中に持っている方々に、その善意をあらわす「場」
(この場合は「匿名で子どもにプレゼントを贈って新聞で話題になるヒーロー」
という 仮面)
さえ提供すすることができれば、
善の気持ちが、行動になって現れてくるのです。

このケースがうまくできているなあ、と思うのは、
善意の結果が、ちゃんと目に見える形で本人に返ってくることです。
実際にプレゼントや寄付が必要な子どもは、本当は日本に何十万・
何百万人いるでしょうから
そのうち数人にプレゼントをしても、全体を見れば、数で見れば焼け石に水。
それでも、そこにいるその1人の子どもを笑顔にすることができれば、
それはプライスレスに尊い行為だと、誰もが思います。
しかも社会もその行為をほめてくれる。
贈った本人は、「わたし、感謝されてる。」と
ひとり満足することができるでしょう。

一方、そううまくいかないのが環境問題ではないかしら。
温暖効果ガスを1トン削減したら、それは本当は尊いことなんですが、
目に見えないし、そもそも1トンの温暖効果ガスって
どのくらいのインパクトがあるものなのか、知っている人はほとんどいない。
汚染物質を1割減らしても、いまいちほめてもらえない。
何かいいことをしても、すぐに「あ、環境が良くなった!」と
目に見える形で返ってこないのです。

ただ「○○をしましょう」と声をかけるより、
「これをやると、こんな効果がある。すごいなあ」
と、善意を持った人に思ってもらうための「仕組み」をうまく作ることができれば
全国の環境伊達直人が、触発されてくれる・・・かも?

ちなみに、木を1本植えられる(しかもどの木だかが分かる)プレゼントツリー、
目に見える、すごくいい仕組みだと思います。
よろしく、全国の伊達直人さん!!

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西形 涼子/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆3.セミナー・イベントご案内◆

◆◇ 「ヤマガラの森」雨水の会 2010年2月21日(日) 実施のお知らせ ◇◆

「Present Tree in南八ヶ岳」では里山「ヤマガラの森」で月に一度、
保全活動を行っています。
Present Tree「ヤマガラの森」寄付者はもちろん、植林ボランティア、
山仕事をやってみたい方なら、誰でも大歓迎です。
おひとりさまでもグループでも、お気軽に・・・。
*詳細とお申し込みはこちらから
http://pacolog.cocolog-nifty.com/yamamori/2010/01/221-3-f451.html
(2月18日頃までにご連絡をお願いいたします)
※雨天・荒天の場合は中止です。

お申し込みをお待ちしています。

◆◇ エコ・エグゼクティブ講座 ◇◆

環境問題を解決するための仕組みを戦略的に発案し、それを実行に移して
結果の出せる「エコ・エグゼクティブ」を育んでいくことを目的とした講座
です。月1回、エコエグの役割とは何か、具体的な事例に則してレクチャー
しつつ、集まったメンバーと知恵を寄せ合ってさらに具体的なプランにまで
落とし込む可能性を模索したいと思います。

*2011年02月16日(火) 19:00–21:00
「東京都の排出量取引のメカニズムとはどのようなものか?」

*排出量取引は温暖化防止に効果的な手法として注目されています。国内で
真っ先に取り組みが始まった東京都の排出量取引、その手法と特徴、課題か
ら、温暖化対策のメカニズムを明らかにします。

*申込期限:02月15日(月)

*お申し込み/お問い合わせ
下記のフォームより、
・関連するプロジェクト:「エコエグゼクティブ講座」
・内容:「エコエグゼクティブ講座参加希望」
とご記入の上お申込み下さい。

http://www.env-r.com/contact/er-pm.html

参加費:学生/1000円 社会人/2000円 Er会員/無料

定員:20名

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環境リレーションズ研究所
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花を贈るように、木を植える。ちょっとエコロジーなギフトです。
WEBサイト: https://www.presenttree.jp/
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環境リレーションズ研究所で様々なプロジェクトや事務を一緒にお手伝い
いただける方を随時募集しています。
詳細こちら:http://www.env-r.com/recruite.html
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