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何から話そう!環境問題

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~~(^-^) 何から話そう! 環境問題 (^_-)~~
生活に密着した環境問題をもっとわかりやすく
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●目次● 2011年2月20日号

1.生物多様性と都市 Vol.5

2.よく発表した「家電エコポイント効果は試算の6分の1」

3.セミナー・イベントご案内

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◆1.生物多様性と都市 Vol.5◆

「生物多様性と都市」も終盤に差し掛かってきました。
楽しんで頂けていますでしょうか。ちょっと小難しいですが、
都市に自然が増えていくことって想像しただけでもワクワクしますよね。
その背景にある学術的知識の一端だけでもみなさまと共有できましたら幸いです。

さて、今回は都市緑化を行う際の注意点や課題点についてお話したいと思います。
調和生態学は都市の、そして世界の生物多様性を高めるためには必要不可欠である一方、
人々の生活のすぐ近くで行われるという性質上、
これまでの保全生態学や復元生態学とは別の注意点や課題点があります。

一つは外来種に対する考え方が挙げられます。
一般的に外来種は在来種に対して悪影響しか及ぼさないと考えられる傾向があります。
しかし、都市においては人間活動により生態系が著しく変化しているため、
ある在来種は外来種に完全に依存し、それらの存在なくして生存することが
できない状態になっています。
例えば、アメリカで行われた調査では、32種類の捕獲されたチョウのうち
13種類は完全に外来植物に依存している状態でした。
つまり、外来種を排除するという決断を下す際には慎重な事前調査を行うことで、
その地域の在来種と外来種の関係性を理解し、
予期せぬ在来種への影響を避けることが求められます。

もう一点は地域住民などと密な連携を図り、
都市型生態系創造への理解を促す必要性があることです。
都市部で生物多様性を高めることは人々に精神的な恩恵をもたらす一方で
様々なリスクや弊害を及ぼします。
例えば、ある種の植物は光化学スモッグを引き起こす揮発性有機化合物を
作りだすことで知られていたり、鳥やカエルなどが起こす騒音や
糞害などの問題もあります。
さらに、調和生態学は新しい分野のため多くの生態系創造の上での
不確定要素があり、住民理解を早い段階で得ることで地域全体での
協力体制を築き、予期せぬ結果に柔軟に対応できる体制を構築する必要があります。

これらの地域住民の取り組みに対する理解は調和生態学の
可能性を広げることにも繋がります。
例えば、空き地などを野放しにし、
「不精さ」を残すことが可能になる点が挙げられます。
前回お話したように都市部に存在する野放しの緑地の生物多様性は一般的に高く、
都市生態系創造に大きく貢献します。
しかし、これらの不精な自然はその見た目の悪さのため周辺住民からの
反対が寄せられることが多くあります。
さらに都市部にあるこういった土地に対する開発圧力は高く、
そのままの状態で維持することが非常に難しいという現状があります。
地域住民や地方自治体の理解を得ることでこれらの野放しの緑地を
残すことができるかどうかは調和生態学の成否に大きく影響します。
これらを達成するためにはこれまで生態系保全で中心的な役割を担っていた
生態学などの「ハード・サイエンス」だけでなく、合意形成などを
中心に扱っている社会科学などの「ソフト・サイエンス」を活用することで、
ハード・ソフト、両方の科学の融合が求められます。
この科学の融合にも多くの障壁が待ち構えていますが、
これらの解決なくして都市緑化を大きく前進させていくことは難しいと思われます。

次回が「生物多様性と都市」の最終回となります。
これまでの内容をまとめ、最後に調和生態学を成功させていくための
心構えについて触れてみたいと思います。

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神内 佑大/環境リレーションズ研究所

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◆2.よく発表した「家電エコポイント効果は試算の6分の1」◆

家電エコポイントのCO2削減効果を、実際の販売データから計算してみたら
これだけCO2削減ができるはず、だからエコポイントをやろう!と決めた当時の試算に比べ
なんと6分の1程度の削減効果しかなかった!という報道がありました。

・・・わざわざ計算しなくても、家電量販店のチラシを見るだけで
大型テレビが売れ(売られ?)過ぎているなあ、とか
エアコンもテレビも2台目、3台目が増えてるなあ、等分かるので、
業界を潤す効果は絶大であっても
エコな方向にはあまり進んでいないのは明らかでしたが。

が、普通は計算をしなおしてみても「まずい!黙っとこ」となってしまいそうなところ
非難を覚悟で発表した環境省は偉かったです。
おそらく、発表しろ!という圧力と、隠せ!という圧力がせめぎあった結果でしょう。

ついでに発表してもらいたいものがたくさんありますよね!
私たち庶民には、「環境にいい」と言われていても
本当に良いかどうか分からない政策がたくさんあります。

まだ乗れる車を、エコカーに買い換えて本当にいいのか?
高効率給湯器や分散型発電は、ライフサイクルで見ても省エネできているのか?
夜間電力は本当に環境負荷が低いのか?
水田の生物多様性を守ろうというとき、水田から出るメタンはどれくらい無視してよいのか?

○○をやったから家庭のエネルギー消費が減った、という話は、なぜか聞かないですね。

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西形 涼子/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆3.セミナー・イベントご案内◆

◆◇ エコ・エグゼクティブ講座 ◇◆

環境問題を解決するための仕組みを戦略的に発案し、それを実行に移して
結果の出せる「エコ・エグゼクティブ」を育んでいくことを目的とした講座
です。月1回、エコエグの役割とは何か、具体的な事例に則してレクチャー
しつつ、集まったメンバーと知恵を寄せ合ってさらに具体的なプランにまで
落とし込む可能性を模索したいと思います。

*2011年03月08日(火) 19:00–21:00
「ニコラス・スターンインタビュー」

*1996年、世界銀行幹部だったニコラス・スターンは、温暖化対策と経済に
ついての詳細な研究を行い、発表しました。温暖化は、進行した場合の経済
的損失より、対策にかかるコストの方がはるかに安い、というその結果につ
いて、スターン博士のインタビューを見ながら考えます

*申込期限:03月07日(月)

*お申し込み/お問い合わせ
下記のフォームより、
・関連するプロジェクト:「エコエグゼクティブ講座」
・内容:「エコエグゼクティブ講座参加希望」
とご記入の上お申込み下さい。

http://www.env-r.com/contact/er-pm.html

参加費:学生/1000円 社会人/2000円 Er会員/無料

定員:20名

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環境リレーションズ研究所
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