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~~(^-^) 何から話そう! 環境問題 (^_-)~~
生活に密着した環境問題をもっとわかりやすく
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●目次● 2011年3月5日号
1.生物多様性と都市 Vol.6
2.パンダ、その可愛さの功罪
3.セミナー・イベントご案内
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◆1.生物多様性と都市 Vol.6◆
「生物多様性と都市」もついに最終回。
今回は調和生態学についてのまとめと、今後問われるであろう
私たちの都市緑化に対する姿勢について考えてみたいと思います。
調和生態学は都市化をはじめとする人間活動によって悪化してしまった環境を
都市緑化によって取り戻し、都市の、
そして地球の生物多様性を保全するために必要不可欠な概念です。
屋上や壁面、個人邸の庭、そして川の護岸などの
都市に存在する様々な植栽可能エリアを緑化し緑被率を上げる
ことによって直接的に都市の生物多様性を高めることはもちろん、
人々の環境意識の向上などによる間接的な効果も期待できます。
その一方で、調和生態学は人々の生活の非常に近いところで行われるため、
多くの問題を引き起こす可能性があります。
なかでも近隣住民からの反対などの社会的な問題が多く
発生することが考えられ、それを解決するためには地域住民の
理解と協力を早い段階で得る必要があります。
しかし、伝統的な環境保全では自然科学などのハードサイエンスが
意思決定を独占し、社会問題や意思決定プロセスなどを主に研究している
社会科学などのソフトサイエンスは補助的な役割に徹することが
多く見受けられます。
それにより環境保全は専門家などによって独占的に行われ、
市民は蚊帳の外に置かれることになります。
その結果、市民・行政間、もしくは市民間に摩擦が生まれ、
新たな問題を引き起こす可能性もあります。
つまり、調和生態学を成功させ長期的な都市の持続可能性を
高めるためには真に民主的な市民参加型の意思決定プロセスによって
市民の協力体制を構築することで、都市緑化を「誰かの自然」ではなく、
「自分たちの自然」と感じ、そこに対する責任感を持つことが
できるような環境を確立する必要があります。
もちろん、調和生態学はまだまだ若い学問であり、生態学的な、そして
社会的な不確定要素が多く、これらの課題を一度に解決することは
困難を極めると思われます。
そのため、調和生態学を成功させるためには一度にすべての事を
成功させようとするのではなく、「やりながら学ぶ(Learning while doing)」
や「やることによって学ぶ(Learning by doing)」の精神にのっとり、
第一歩を小さく、そしてその都度変更が可能なように
戦略を柔軟にすることが求められます。
繰り返しになりますが、そのためにはこれまで主体的な役割をしていた
行政や科学者、そしてNPO・NGOなどに加え、歴史的にあまり積極的に
関わってこなかった、もしくは役割を軽視されていた企業や一般市民など、
すべてのプレイヤーを巻き込んだ協働体制を構築することが求められ、
現在の都市の状況を考えると、
このことが第一に求められると考えられます。
このような根本的な変化無くして、都市の、そして世界の
持続可能性を高めることは難しいのではないでしょうか。
今回で「生物多様性と都市」の最後になりますが、
読者のみなさまが期待されていることは色々あるかと思います。
例えば、ベランダに植木を置いてみる、もしくは自分の周りに
どのような自然が存在するのかを知ることだけでもいいかもしれません。
小さな一歩でも「0から1」への大きな一歩です。
「時間があるときに・・・」と思っているといつまでもできません。
今すぐにでも周りにある自然に目を向けてみる。
そんな一歩から始めてみませんか。
次回からはスマートグロースと呼ばれる都市の開発手法について
お話したいと思います。
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神内 佑大/環境リレーションズ研究所
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◆2.パンダ、その可愛さの功罪◆
私と娘が大ファンの上野動物園に、3年ぶりのパンダがやってきました。
上野動物園には、いわゆる「珍獣」と言われる動物はいくつもいるのですが
今回のパンダ来日の報道や、地元の反応の大きさには
パンダ人気が別格であることを、あらためて思い知らされました。
WWFのシンボルマークとしても有名であるとおり、
パンダは森林破壊などで住む土地を奪われつつある、絶滅に瀕した野生動物。
いま、1,600頭しかいないそうです。
1,600というと多いように思いますが、
もし、中国の山林に散在する1,600人の人間が地上で最後の人類だったとしたら
「そうとうやばい!」と感じますよね・・・。
上野動物園でも、パンダ保護活動のための基金を立ち上げたり
個人サポーターを募集したり、と
この機会にパンダ保護活動の盛り上げに積極的です。
が、あののほほーんとした顔と、悠然かつモッサリとした佇まいを見ると
つい忘れてしまうんですよね、その危機感。
大人も子どもも「キャー、かわいい!」
癒されちゃう。
癒されている場合ではないというのに!
シンボルは、まずは目をひかなければならないので
インパクトのあるパンダの姿は、環境保全と生物多様性保護のシンボルとしては
上野にとってもWWFにとっても、うってつけなのですが、
癒し系すぎるのもまた、問題かも・・・。
愛されつつ、危機感も持ってもらわなければならないとは、
環境活動のプロモーションは難しいですね・・・。
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西形 涼子/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆3.セミナー・イベントご案内◆
◆◇ エコ・エグゼクティブ講座 ◇◆
環境問題を解決するための仕組みを戦略的に発案し、それを実行に移して
結果の出せる「エコ・エグゼクティブ」を育んでいくことを目的とした講座
です。月1回、エコエグの役割とは何か、具体的な事例に則してレクチャー
しつつ、集まったメンバーと知恵を寄せ合ってさらに具体的なプランにまで
落とし込む可能性を模索したいと思います。
*2011年03月08日(火) 19:00–21:00
「ニコラス・スターンインタビュー」
*1996年、世界銀行幹部だったニコラス・スターンは、温暖化対策と経済に
ついての詳細な研究を行い、発表しました。温暖化は、進行した場合の経済
的損失より、対策にかかるコストの方がはるかに安い、というその結果につ
いて、スターン博士のインタビューを見ながら考えます
*申込期限:03月07日(月)
*お申し込み/お問い合わせ
下記のフォームより、
・関連するプロジェクト:「エコエグゼクティブ講座」
・内容:「エコエグゼクティブ講座参加希望」
とご記入の上お申込み下さい。
http://www.env-r.com/contact/er-pm.html
参加費:学生/1000円 社会人/2000円 Er会員/無料
定員:20名
*’゜*’゜*’゜*’゜*’゜*’゜*’゜*’゜*’゜*’゜*’゜*’
環境リレーションズ研究所
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◆◇IGES-JISE市民環境フォーラムのご案内◇◆
「いのちと心と遺伝子を守る森づくり ― 元気を取り戻す知恵 ―」
○開催目的
「鎮守の森」に存在する「潜在自然植生」を中心に植樹をすることで長年に
わたり豊かな森づくりをされている宮脇昭先生。その宮脇先生がセンター長
を務めるIGES国際生態学センターでは毎年“IGES-JISE市民環境フォーラム”
と題して環境問題を様々な角度から取り上げ、市民の皆様とともに考えてお
ります。
今回は元気になる生き方を皆様と一緒に考え、命を守る森づくりを推進する
ことを目的としてフォーラムを開催いたします。
詳しい内容はこちらから:
http://www.jise.jp/info/forum2011.pdf
○開催概要
開催日時:2011年3月27日(日) 13:00~17:00
開催場所:パシフィコ横浜国際会議場メインホール(参加者1000名予定)
参加費 :無料
主 催:財団法人地球環境戦略研究機関・国際生態学センター
共 催:NPO法人国際ふるさと森づくり協会
○申込先
氏名・住所・電話・参加人数を記入のうえ、下記まで申込下さい。
(財)地球環境戦略研究機関・国際生態学センター
〒220-0073 横浜市西区岡野2-12-20
TEL: 045-322-1223 FAX:045-322-1225
Mail: ecoinfom@jise.jp(@を半角にしてお送り下さい)
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