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生活に密着した環境問題をもっとわかりやすく
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●目次● 2011年6月20日号
1.スマートグロウスと持続可能性 vol.6
2.節電12%の意味
3.セミナー・イベントご案内
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◆1.スマートグロウスと持続可能性 vol.6◆
スマートグロウスと持続可能性の第6回目。今回も前回に引き続きス
マートグロウスの政策を取り入れたことによる意図しない結果につい
てお話をしたいとおもいます。
前回はスマートグロウスによる都市の無個性化や交通渋滞緩和に対す
る効果があがらないこと、さらにインフラ更新費用が予想外にかかっ
てしまうことなどについてお話ししました。これら3つの他にもう一
点、スマートグロウスによる意図せぬ結果が確認されています。それ
は住宅価格の高騰とそれによるジェントリフィケーションと呼ばれる
高級市街地化です。ジェントリフィケーションは、市場主導による都
市再開発などを論じる際にしばしば使われる言葉で、「もともと地域
に存在していた貧民層が、再開発に伴う地価の上昇や住宅価格の高騰
などを背景に、その場に住み続けられなくなる現象のこと」を指しま
す。例えば、ハリケーン・カトリーナ被災後のニューオリンズではジ
ェントリフィケーションの結果、多くの住民が復興後に住めなくなっ
たと言われています。
この現象がスマートグロウスの政策を取り入れた都市においても見ら
れています。例えば、ポートランドでは郊外化を抑制するために
Urban Growth Boundaries (UGBs)と呼ばれる線引きをし、開発
可能エリアを限定しています。そして、ポートランドでは2040年まで
に人口が80%増加することが予想されていますが、このUGBを6%しか
拡張しない予定です。その結果、ポートランドは1990年以前には最も
住宅価格の安い地域の一つであったものが、1996年には最も高い10の
地域のひとつに選ばれました。市場主導の社会おいて、人々はどこで、
そしてどのように生活するかを自分で選ぶことが可能です。しかし、
ポートランドのUGBのように強引に開発可能エリアを限定し、土地の
供給を抑えることで住宅市場を歪め、それにより元々そこに住んでい
た貧しい人々が住めないようになることもあります。
さらに、富裕層や中流階級を対象にした高密度な複合開発を推し進め
ることも住宅価格の高騰を助長する可能性があります。中流階級や富
裕層は近年、職住近接化などを理由に、郊外の生活よりも高密度複合
開発に対して好意的であり、それによりこれらの層を対象とした開発
も多く行われています。その結果、元々その地域に存在していた地元
の商店などが、より富裕層を対象としたカフェやレストラン、スパな
どに変わってしまった地域もあります。もちろん、高密度化などのス
マートグロウスの政策が必ずしもジェントリフィケーションを起こし、
貧しい人々を追い出すとは限りませんが、様々な学者の調査の結果、
その傾向があることが明らかになっています。
このようにスマートグロウスのコンセプト自体は経済、環境、社会の
持続可能性の3つの柱のバランスをとるために優れているように感じ
られますが、金銭的な問題などの実際に実行するための障害や、前回
からお話をしている実行したことによる意図せぬ結果など、様々な問
題点が存在します。次回以降はこれらの点も含め、スマートグロウス
と持続可能性の関係について総括をしていきたいと思います。ハリケ
ーン・カトリーナ後のニューオリンズの例ではありませんが、今回の
被災地の復興に際しては、開発による意図せぬ結果についてあらゆる
方向から考察し、今後の東北の、そして日本の持続可能なまちづくり
について真剣に取り組んでいかなければいけませんね。
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神内 佑大/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆2.節電12%の意味◆
5月の「家庭向け」(工場や商業施設などは含まれません)の電力販売量は、
去年に比べて7%減った、との報道がありました。
地域による差があり、東京電力(関東一円を管轄)エリアと
東北電力(東北地方一円を管轄)エリアでは12%の減だそう。
これは何を意味しているか。
東北地方と関東地方では、3月の震災と原発事故以降、節電がブームになっています。
全員が節電に励んでいるわけではありませんが、節電を心がけている人のうち、
すごい省エネ機器を買ったとか、自家発電を始めたという人の割合は、まだ大きいものではないはず。
というとほとんどの場合は「あかりをこまめに消す」「冷蔵庫に物を詰めすぎない」などの
地道な節電動作で、電力を減らしたはず。
特別なことをしなくても12%までは簡単に減らせることが、立証されました。
ただ、今までどんなに節電を呼びかけても減ってこなかった家庭用電力です。手ごわい相手です。
これだけの巨大なインパクトがあっても、12%「しか」減らなかった、という見方もできるでしょう。
また、節電意識が西日本までは盛り上がっていかなかったことも、今後の課題。
それぞれの家庭が何をして12%減らしたかも、まだ検証されていません。
どんなことなら苦にならず、誰にでもできて、効果的なのか。
うまくやっている家庭の例からそのノウハウを明らかにすることも、
今後やっていくべきことです。
また、そのノウハウをどうしたら他の家庭に実行してもらうか。
ここが多分、いちばんむずかしいところ。
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西形 涼子/環境リレーションズ研究所ボランティア
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◆3.セミナー・イベントご案内◆
◆◇ エコ・エグゼクティブ講座 ◇◆
環境問題を解決するための仕組みを戦略的に発案し、それを実行に移して
結果の出せる「エコ・エグゼクティブ」を育んでいくことを目的とした講座
です。月1回、エコエグの役割とは何か、具体的な事例に則してレクチャー
しつつ、集まったメンバーと知恵を寄せ合ってさらに具体的なプランにまで
落とし込む可能性を模索したいと思います。
*2011年07月07日(木) 19:00–21:00
「環境難民」
*環境難民というと、海に沈みそうなツバル諸島が知られていますが、アラ
スカやアフリカ、アラスカなど、たくさんの地域で環境難民が生まれると指
摘されています。環境難民とは、どのようなものなのでしょうか。
*申込期限:07月06日(水)
*お申し込み/お問い合わせ
下記のフォームより、
・関連するプロジェクト:「エコエグゼクティブ講座」
・内容:「エコエグゼクティブ講座参加希望」
とご記入の上お申込み下さい。
http://www.env-r.com/contact/er-pm.html
参加費:学生/1000円 社会人/2000円 Er会員/無料
定員:20名
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環境リレーションズ研究所
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